ちょっと違う?(笑) | 楽しく考える男子バレー

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月刊バレー2月号の春高男子決勝の記事は田中夕子さんでしょうか?
下記の記事と同じような内容ですね。


東亜学園、「コツコツと」つかんだ優勝の証し=春の高校バレー・男子決勝


東京で高校バレーを見ていても、東亜学園のスタメンが誰なのか、わからない状態でした。
今回優勝したチームは、2009年秋の新人戦から見ているのですが、何度かスタメンが代わったし、選手交代も多いので。
当初は、主将の吉田くんがリベロだったような気がします。


どうしてなのか?
ある程度推測はできましたけれど、その答えが田中さんの記事に書かれていました。


ただ、この部分はちょっと違うような気がします。


これまではピンチサーバーとしての出場経験しかない1年生の冨田直人が急きょ、試合出場を命じられた。
もはやこれまでかと思われた絶体絶命のピンチだったが、小磯監督が「期待以上の働き」と称賛した冨田の活躍も手伝い、向かい風は追い風に変わる。


「ピンチサーバーとしての出場経験しかない」というのは、全国大会に限った話なのでしょうか?
冨田くん、スタメンでずっと出ているのは見たことがないけれど、インターハイ予選の東洋戦は途中交代で出て、思い切りのいいサーブとスパイクで東亜が追い上げる場面を作っていました。
その後ミスも出て、逆転するまではいきませんでしたが。
春高予選の東洋戦は、出番が少なくてあまり活躍の場がなかったけれど。
スタメンの実力がないというよりは、出る場所がないという感じ。(笑)
もったいないなあと思ってました。


冨田くんは、どこの高校でも入学直後からスタメン起用されて不思議じゃない選手だと思います。
私は中学バレーはそんなに見ていませんが、今の高1の学年では「西の佐々木、東の冨田」という感じだったのではないかと。
JOCの決勝でエース対決になって、2人ともオリンピック有望選手に選ばれていますから。
東福岡に入った佐々木くんは春高に出ていませんが、国体は福岡選抜で出ていましたよね。

ですから、冨田くんが出ることが「絶体絶命のピンチ」というのは、どうなのでしょう?
確かに、ややミスが多いというイメージがありますが、サーブはいいし、高さも決定力もあるし、相手にとっては厄介な存在だと思います。
「なんで冨田くんがスタメンじゃないの?」と思っていた人は少なくないのでは?
私も、そう思っていました。(笑)


もう1つ気になったのは「雑草」とか「ノンキャリア」という言葉です。
確かに今の3年生には、例年と比べると大きい選手もスター選手もいないかも知れません。
でも、全中やJOCに出た選手もいますよね。
月刊バレーを見たら、2007のJOC、東京は準優勝の愛知に負けてベスト8でした。
JOCベスト8の選手も「ノンキャリア」で「雑草」ですか?
そんなこと言われたら、全中やJOCに出てもいない選手は、どうなるのでしょう?(笑)
そういう選手も春高に多数出場していると思いますよ。


私は全中やJOCに出ること自体が「キャリア」だと思っていますが、そうではないのでしょうか?
「雑草」という言葉は、そもそもあまり好きではありませんが、安易に使われることに、とても違和感を覚えます。
その言葉が、本当に称賛になるような、まぎれもなく「雑草」であるという人にだけ、使ってもらえたらと思います。


JOCや全中で優勝・準優勝して、表彰選手になっている1、2年生と比べて、3年生は「雑草」という意味なのかもしれませんが。
それは東亜のチーム内をエリートと雑草に分けちゃっているということで、世間一般の基準とは、かけ離れているような。
エリートと雑草に二分されなきゃならないわけではないですよね。(笑)
もうちょっと表現のハバがあるといいと思います。


JOCや全中で優勝・準優勝の選手や表彰選手が何人もいるチームなんて、そうはないのですよ。
東亜の今の1、2年生や、連覇したときの選手たちが特別エリートそろいなのだと思います。
2年生はJOCで優勝した東京のスタメンが5人もいますし、1年生は準優勝した埼玉のスタメン3人と他に優秀選手が2人います。
 
東亜学園の優勝は驚いたし、立派なことだと思いますけれど、1、2年生を含めれば、それだけの選手が揃っていたわけですから、昨夏のインターハイで宇部商2年生チームが優勝したことと通じるものがありますよね。
違いは、宇部商が早くから2年生のJOC準優勝メンバーでチーム作りをしたのに対して、東亜は3年生中心のチームから、そこにJOCで実績のある1、2年生をプラスしていったことでしょう。
高橋くん以外3年生で固めた11月の春高予選とは、見違えるように強くなりました。
試行錯誤の末、春高の舞台で、3年生と1、2年生が半々というバランスで力を発揮できるチームが出来上がったということですね。


月バレ記事、吉田主将のコメントを読んで、他のチームより苦労の多い主将だったのではないかと思いました。
これだけ優秀な下級生がそろっていれば、チーム作りは難しかったかも知れません。
そういう意味で、大会中にチームが1つになれた、ミラクルな快進撃だったといえるのかも知れません。
「雑草軍団」のミラクルな優勝というのは……ちょっと違うような気がするのですけれど。


本当に「雑草」といえるようなチームや選手を考えてみたのですが、すぐには思いつきませんでした。
かなり古いところなら思い当たるのですが。(笑)
思い当たるチームや選手がありましたら、お知らせいただけると嬉しいです。
「雑草」という言葉が、褒め言葉になるような選手をお願いします。